コトリの不妊治療にまつわる徒然日記

32歳からKLC、33歳から杉山産婦人科→リプロ東京

仕事か治療か。キャリアダウンへの決意

3回の移植が陰性に終わった昨年11月頃、仕事か治療かという選択に迫られていた。というのは、私の部署では1月から3月が繁忙期であり、その期間にこれまでのように有給を取れるか上司にお伺いをたてたところ、繁忙期は難しい、その期間は治療をお休みするか、休んだ分は土日でカバーしてくれと上司に言われていたのだ。

 

約半年前、上司には高度生殖医療へとステップアップした段階で不妊治療についてカミングアウトし、有給を頻繁に取らざるを得ないことを伝えていた。当時は忙しくない時期でもあり、繁忙期までの間は、というニュアンスで了承を得ていた。当時私は体外受精をすればすぐに妊娠すると思っており、繁忙期に入るまでの半年間でどうにかなると楽観的に考えていた。

ところが、その半年はあっという間に過ぎ、全く妊娠する気配もないどころか、全く思い通りにならない結果ばかりで身も心も疲れきっていたのだ。

 

私の会社は有難くも不妊治療休職という最先端の制度が導入されており、休職も選択肢の一つとして考えていた。

 

仕事との両立か、それとも治療に専念するか、繁忙期だけ治療を休むか、、私は悩んだ。

まるで女心と秋の空のように、日々、いや数時間単位で考えがコロコロ変わる。3ヶ月の時間をどう捉えるか、たった3ヶ月かもしれないが、12ヶ月分の3ヶ月というのはやはり大きい。その間に確実に老化していくのだから、治療を休むことはやはり考えられない。仕事と治療を頑張るか、または仕事のストレスが不妊治療に悪影響を与えているのではないか、はたまた休職したら不妊治療が逆にストレスになるのではないか。もう堂々巡りである。

夫に相談すると、私の気持ちを尊重するが、現実的には仕事を辞めれば経済的には厳しくなるから治療を休まざるを得ない時期もあるだろう、それなら働きやすい今の会社で続ける方が良いのではと。夫らしい合理的な意見だ。

 

悩み真っ最中の頃、同じ部署の女性先輩とランチをした時に思わず本音がポロっと出てしまった。彼女は繁忙期の人手不足解消のためにタスクの効率化を推し進めていた人で、1番人手が減ることを嫌がるのではないかと思っていたのだが、返ってきた答えは、「繁忙期は休職したらいいんじゃない。無事出産して復帰した時はその分頑張れば良い」と。私は驚きと辛さを理解してもらえたことで涙が止まらなくなってしまった。

そして、夫は夫で、周りで不妊治療をしていた女性に話を聞いたりしているうちに考えが変わってきたようで、休職あるいは辞めても良いんじゃないかと。仕事をしながらの治療の大変さを理解してきたし、正社員じゃなくてもどうにかなると思えてきたとのこと。

 

 これをきっかけに、上司に休職したい旨を再度相談したが、その時も号泣してしまう。もう治療の話になると泣いてしまう程に精神的にきていたのだ。

結果的には、休職ではなく、業務制限という制度を取りつつ、これまでと同様に通院日は有給を取る形となった。

 

この制度のおかげでこれまであった妊娠への焦りはなくなり、業務負担も減り、精神的にだいぶ楽になった。余力がありすぎて業務量をもっと増やしてもいいかもなんて思う程になったのだ笑。

始めはキャリアダウンに抵抗があったが、人生でみればほんの少しの時間だ。少しくらい自分に甘い期間を過ごしても良いだろう。